2010年5月19日水曜日

報道の自由をめぐり外国特派員がクルドに苦言

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☆★報道の自由をめぐり外国特派員がクルド政府に苦言
Foreign reporters rap Kurdish authorities over press freedom
Zawya/AFP  2010年5月16日付
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http://www.zawya.com/story.cfm/sidANA20100516T175748ZSHF96

By Shwan Mohammed

 スレイマニヤ発、5月16日(AFP)
 イラクのクルド地域から長年報道してしてきた外国の特派員記者18人は、5月16日、クルお人記者の仕事環境が悪化していることについて、クルド地域政府を厳しく非難した。

 彼らは、クルド自治区のマスード・バルザニ大統領とイラクのジャラル・タラバニ大統領(クルド人)に宛てた公開書簡の中で、クルド自治政府を批判した若いジャーナリストが今月初めに暗殺された事件が未解決であることを指摘した。

 独立系のクルドの新聞『アウィーネ』に掲載された公開書簡には、「イラクのクルド地域から長年報道してきた記者として、私たちはクルド人記者が自由に報道しコメントする権利が目に見えて悪化していることに懸念を抱いている」と書かれていた。

 公開書簡は、既に処刑された為政者サダム・フセインをひきあいに出して、「クルド人の記者仲間に連帯し、クルドの友人であるという立場から、私たちは貴職に皆さんが長年反抗した政権の抑圧政策をまねることのないよう要請する」と述べた。

 「あなた方が山中に隠れたり亡命したりしたとき、お二人とも私たちに、新しい国では、報道への抑圧を含めて自由の濫用に終止符を打つつもりだ語っていた。」

 「今日、貴職に書簡を届けた私たち(の立場)は、反対勢力ではなく友人として、また貴職が権力を奪おうとしていた時期に貴方の言葉を信じていた特派員として、さらにクルド人の自由について言及したかつての貴職の言葉を慎んで思い浮かべているジャーナリストとして、である。」

 この公開書簡に署名した者のなかには、長年BBCの特派員をしているジム・マイアー、元ガーディアン紙記者デービッド・ハースト、米国人ジャーナリストであるジム・ホーグランド、ジョナサン・ランダル、クイル・ローレンス、チャールズ・グラス、フランス人記者ジェラルド・チャリアンド、クリス・クッチェラー、マーク・クラベツなどがいる。

 署名者たちは、「イラクのクルド地区で活動していたフリー・ジャーナリストのなかで最も新しい犠牲者」として、今月暗殺されたサルダシト・オスマンの死に言及した。

 22歳のオスマンは、雑誌『アシティナミ』(クルド語で平和を求める手紙)の記者をしており、英語とクルド語の翻訳家でもあった。彼の遺体は、5月4日に大学構内から誘拐されたあと、24時間たって発見された。

 オスマンが最も強い非難をおこなった記事の一つは、「マスード・バルザニの娘に恋している」というタイトルで、『クルディスタン・ポスト』に掲載された。これはロマン的な夢に言寄せて、いわゆるクルド指導部の汚職を批判したものである。

 「私がバルザニの婿養子となるときには、婚礼の夜はパリで迎え、それから叔父の宮殿に訪問して数日間はアメリカに滞在するだろう」と彼は書いた。

 「貧しいアルビルの住宅地とおさらばして美しい街に移住し、夜はアメリカじこみの警察犬とイスラエルの警備員に護衛される」と彼は書き、バルザニの裕福な生活スタイルと普通のクルド人の生活を挑発的に対比したのだ。

 10月に出版された『報道の自由2009』では、国境なき記者団はイラクを175ヶ国のなかで145番目に報道の自由がない国だと位置づけた。

 また、先月発行されたジャーナリストを守る委員会の2010年の目録によると、記者が殺害されるという問題では、イラクは世界中の国のなかで最悪の記録を有している。

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 訳注)Zawya: 中東及び北アフリカのビジネス界むけに、事業・投資・金融関係の情報を提供する。ドバイに本社を置き、レバノン、クウェート、マレーシア、シンガポールで販売されている。

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