2011年5月4日水曜日

ビン・ラディン殺害の舞台裏

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☆★ビン・ラディンの死を喜びたまえ、最悪の事態はこれからだ
Celebrate Bin Laden’s death for now, maybe the worst is yet to come
Roads to Iraq 2011年5月2日付 
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http://www.roadstoiraq.com/2011/05/02/celebrate-bin-ladens-death-for-now-maybe-the-worst-is-yet-to-come/

 欧米社会がオサマ・ビン・ラディンの死を祝っているなか、クウェートの新聞アル・ジャリダが今日報道した小さな記事に目をとめた者はいない。

 その記事とは: オサマ・ビン・ラディンの側近の一人であるラムジ・ムワフィ博士は、物理分野の顧問でもあり、4年前にエジプトで逮捕され投獄されていたが、1月30日に脱獄していた。ラムジ博士は、ビン・ラディンからは「ドクター・ケミカル(化学)」と呼ばれていたが、5年前にはアルカイダで化学兵器を作る専門家であり、またリーダー(ビン・ラディン)の物理顧問であった。

 国際社会および政治的範疇においては、オサマ・ビン・ラディンの殺害は、その他のもっと深刻な脅威に比べると、それほど優先順位が高いものではない。たしかに長い間、この人物は多くのイスラム武装グループのなかでシンボル的かつ魅惑的な存在であった。しかし今、アフガニスタンとパキスタンにおいて起こっている事態は、アルカイダではなくタリバンが主役である。

 ビン・ラディン殺害の発表とメディアの騒ぎぶりは、事件の背後に何かあるのではないか、と思わせるほどである。今朝、私の目にとまったニュースは、次のようなものだ。

 --イスラエルで恐れられているのは、アラブ世界で発生している事態であり、(シリアの)バシャル・アル・アサドが辞任すると、イスラエルはイスラム主義の国家によって包囲されてしまう、ということである。シリアに機会を与え、マスコミの圧力をやわらげるために、アメリカがオサマ・ビン・ラディン殺害を発表したとしても、じゅうぶん理屈は成り立つ。

 --イスラエルとアメリカに対するエジプト指導部の態度が変化し、リビアとシリアでイスラム主義が台頭している事態は、アフガニスタンから米軍を撤退させるために、ビン・ラディン殺害を発表させるだけのプレッシャーをオバマに与えていた。

 今、米欧諸国はイスラム主義を2つのグループに選別している、とチェチェン大統領が説明した。

 彼の説明によると、「あまり悪くない」イスラム主義者は、欧米諸国にドアを開いて、仲間入りしようとしている。そのよい例はリビアのイスラム主義者で、彼らはNATOにリビア空爆を許可した。またエジプトのムスリム同胞団は、ビン・ラディンの死を祝って、「テロを引き起こす原因の一つが取り除かれた」と発言した。

 もう一つの、「悪いイスラム主義者」とはハマスであり、彼らはビン・ラディンが殺されたことを非難し、またアル・マクリジ研究センターのハニ・シバイイ師はビン・ラディンの師を追悼した。

 オバマ(米大統領)によるオサマ・ビン・ラディン殺害の発表は、次の大統領選挙に向けたレースで、オバマに有利な局面を与えるだろう。それは、経済的挫折の結果、失いかけたアメリカの信頼を回復させるかも知れない。

 オサマ・ビン・ラディン殺害の背後にある本当の動機について、アメリカ市民が疑問に思う日がやがて来るだろう。そして大統領再選のために、アメリカの安全保障を危険に陥れた者として、オバマとオバマ政府を呪い始めるであろう。