2010年11月16日火曜日

新政府づくりへの妥協が成立  AP

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☆★新政府づくりへの妥協が成立
Iraq lawmakers approve deal to form new government
AP 2010年11月13日 (米東部時間)
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http://news.yahoo.com/s/ap/20101113/ap_on_re_mi_ea/ml_iraq

by Bushra Juhi, Associated Press
Sat Nov 13, 3:46 pm ET

バグダッド発、AP

 互いに反目する全会派をマリキの率いる新政府に押し込もう、という妥協案が15日、イラク国民議会の議員たちに承認されたが、スンニ派をどう処遇するかについては意見の不一致を残した。

 この妥協案は、新政府が樹立されないまま、宗派対立の再燃が懸念されるなかで、8ヶ月続いた膠着状態を打開するもの。しかしこの合意は、根深い相互不信ゆえに、破滅の瀬戸際まで来てやっと達成された。

 スンニ派に支持されたイラキーヤ会派は、11日に会合から退席したあと、13日の会合をボイコットするとほのめかしていて、新政府に参加しないおそれもあった。

 イラキーヤのメンバーは、マリキのシーア派連合に裏切られたと述べ、新政府では自分たちが日陰に追いやられるのではないかと疑っていた。

 異なる意見を調整するために、主要勢力のリーダーが13日に会合を開き、なんとか同意をとりまとめた。その日の内に国民議会が招集され、イラキーヤも出席して、パワーシェアリングの合意に賛成票を投じた。

 「前回の会合では誤解があった」とイラキーヤの広報担当が表明した。ハイデル・アル・ムッラー議員は、「全国民的な統合政府を樹立するため、われわれは積極的な役割を担うことを強調する」と語った。

 この日の議会への出席者や合意を承認した議員の正確な数はまだ不明で、その全容は新政府に報告されるという。

 今回の合意によると、マリキ首相とタラバニ大統領は現在のポストに留任し、国民議会の議長ポストと、マリキ政権のチェック役となる委員会のトップはイラキーヤに割り振られる。イラキーヤを率いるアラウィが、その後者の職務に就くとみられる。

 しかし12日に行われたCNNへのコメントのなかで、アラウィはマリキ政府には参加しないだろうと述べ、パワーシェアリングについても「死に体」だと評していた。アラウィは15日の議会には出席しておらず、別の議員はアラウィは出国したと話した。

 アラウィは欠席したが、イラキーヤの幹部によると、他の議員の過半数は出席したという。

 13日の議会は、さらに、立候補を取り消されていたイラキーヤの3人のメンバーについて、立候補禁止措置を解除することを決めた。マリキと同じシーア派政党のハジ・アル・アマリ議員が明らかにした。立候補禁止措置を解除するかどうかが、イラキーヤの議員が11日の会合を退席した理由でもあった。

 オバマ大統領が今回のパワーシェアリングを賞賛した翌日、イランのアハマディネジャド大統領もこれを支持し、この合意を「イラク国民の偉大な勝利」と形容した。

 イランの国営放送IRNAによると、アハマディネジャドは14日にマリキ首相およびタラバニ大統領と電話で会談し、彼らに祝意を伝えたという。

 イランはバグダッドにシーア派の政権を確保する方策として、マリキが続投にむけて奔走するのを支持してきた。イランはまた、新政府のなかでスンニ派を脇に追いやるための画策も行っている。

議員たちは権力共有に望み託す  AFP

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☆★議員たちは権力共有に望み託す
Iraqi MPs salvage power-sharing pact after walk-out
AFP 2010年11月14日 (米東部時間)
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http://news.yahoo.com/s/afp/20101114/wl_afp/iraqpoliticsgovernment

by Salam Faraj - Sun Nov 14, 9:05 am ET

バグダッド発、AFP

 イラクの国民議会議員は、かつてのライバルが議会を退席した数日後、パワーシェアリング(国家権力の共有or分割)という妥協案を崩壊させないよう、マリキ首相を首相として続投させると発表した。

 この妥協案は10日に署名されたものの、成否が危ぶまれていたもので、オバマ大統領を含む世界の指導者たちからは、3月の選挙後に新政府が樹立できない状況が続いていたため、一歩前進として賞賛された。

 妥協案に合意した3つの会派のリーダーは、13日の議会開会前に会合を開いて、異見を調整したあと、スンニ派の支持を集めるアラウィ元首相の会派からの抗議に対処した。

 議員たちの賛同が表明されたあと、議会の幹部がAFPの取材に応じ、アラウィ元首相の率いるイラキーヤのメンバーが、自分たち60人の会派が退席した理由を説明する声明を読み上げた。

 イラキーヤ所属の国民議会議員であるハイダル・アル・ムッラーは、「われわれが退席した理由は、合意事項の実現をめぐって認識の違いがあったからだ」と述べた。

 匿名で取材に応じた議会の幹部は、現時点でパワーシェアリングに合意しているのは、総数325人のうち約250人だ」と話した。なぜ75人が合意していないのか、また彼らの所属会派がどこなのかは、まだ分かっていない。

 さらにムッラーは、バース党と関係があるとして3月の選挙に立候補を取り消された3人のイラキーヤ幹部が、10日以内に復帰するだろう、と語った。

 会派代表者会議の次回会合は、11月21日に予定されている。


 パワーシェアリングという妥協案は、シーア派のマリキ首相とクルドのタラバニ大統領を留任させ、スンニ派アラブ人から国会議長を選出するよう提案している。 またアラウィを誘うための餌(えさ)として治安を監督する新たな法的機関を創設した。

 3月7日の選挙でからくも第1党になり、スンニ派地域で最多議席を獲得したアラウィ率いるイラキーヤの同意は、宗派対立の再燃を防止するために不可欠だと見られている。

 サダム・フセイン政権を支えたスンニ派アラブ人は、2003年の米軍侵攻以後、反米ゲリラ勢力の温床でもあった。

 11日の会合は選挙後2度目のものだが、マリキとアラウィが並んで着席し、良い雰囲気でスタートを切った。

 だがスンニ派アラブ人でイラキーヤに所属するオサマ・アル・ナジャフィが議長に選出された直後、その扱いにイラキーヤが不満を表明したことで非難の応酬が始まった。

 イラキーヤは、大統領が選出される前に、立候補を禁じられた3人の幹部の復帰が実現されるべきだと主張した。そしてこの要求が受け入れられなかったため、60人の議員が退席した。しばらくして、残った議員たちはタラバニを大統領に再選する投票を始めた。