2010年9月18日土曜日

ファルージャは三日間の服喪を宣言

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☆★ファルージャは三日間の服喪を宣言
アッザマン/azzaman   2010年9月16日付
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http://www.azzaman.com/english/index.asp?fname=news\2010-09-16\kurd.htm

By Omar al-Mansouri

September 16, 2010

 イラクのファルージャ市は、米軍とイラク軍の合同攻撃で少なくとも10人以上の市民が殺され多数の負傷者も出たことに抗議して、三日間の服喪に入ると宣言した。

 さる9月15日に行われた米軍等による襲撃は、市内に緊張を高め、アンバル州に住む200万人近いスンニ派イスラム教徒とファルージャ市民の怒りを招いた。

 イラクに住むスンニ派イスラム教徒の宗教指導者団体として権威のあるイスラム法学者協会は、今回の襲撃を「大量虐殺である」と非難し、これによって2人の子どもも殺されたと証言した。

米軍並びにイラク当局は、この攻撃で殺したのはイラクのアルカイダ・グループと関係を持つ元イラク軍将校だ、と主張した。

 しかし、その主張に裏付けはなく、目撃者も市当局も死傷者はすべて民間人だと述べた。

 ファルージャ市内の学校、会社、商店は、今回の攻撃に抗議して16日は休業し、アンバル州政府も強い非難を行った。

 アンバル州はレジスタンスの主要拠点であり、制圧しようとする米軍の攻撃を繰り返しはね返したところである。米軍はアルカイダと戦ったスンニ派部族の民を雇い入れることによって、辛うじて相対的な平穏を維持しているにすぎない。

 知事の顧問であるモハメド・ファシの話によると、アンバル州の当局者たちはマリキ首相に今回の攻撃の調査を行うことを要求している。

 ファシは、「カセム知事はマリキと接触したが、マリキは事件の調査委員会を設置することに同意した」と述べた。

 ファシは、「犠牲者は、軍の攻撃目標となった家の所有者を含めて、すべて民間人だった」と指摘した。

 

2010年9月12日日曜日

米軍駐留の長期化は公然の秘密

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☆★イラク防衛相、2016年までの米軍駐留を示唆
Iraqi official foresees a U.S. military presence until 2016
ロサンゼルス・タイムズ   2010年9月12日
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http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-iraq-troop-presence-20100909,0,6527204.story

By Liz Sly, Los Angeles Times

September 8, 2010

 バグダッドからのレポート - イラクがアメリカに発注している膨大な軍事装備や兵器を管理するために、また訓練と支援を受けるために、少なくとも2016年までは、米軍がなんらかの形でイラクに駐留(延長)する必要がある--イラク国防大臣のアブドル・カデル・オバイディが言った。

 オバイディはさらに言葉を続けた--情報収集の面でも、2011年以降もイラクは支援を必要とするし、未熟なイラク空軍は自国の領空防衛能力を獲得するのに2020年という期限を設定しており、少なくともそれまで(2020年まで)は米軍の助けを必要とする。

 このコメントは、オバマ大統領が米軍の戦闘作戦は終結し、2011年末までに全ての米軍を撤退させるという方針を発表した1週間後、あるインタビューのなかで発言された。2011年末という撤退期限は、2008年にブッシュ大統領とイラク政府との間で合意された安全保障条約にもとづいている。

 「いつまで米軍の助けを借りるのか」と質問されたオバイディは、「おそらく無期限だろう」と答えた。「イラクが軍隊を保有し、またイラクが第三世界の国である限り、アメリカの助けを借りる以上の選択肢は、私には考えつかない」と。

 彼は、「アメリカと欧州諸国からの差し伸べられた手を振り払うのは賢明ではない」と述べた。11月までの期限付きだが、イラクはイギリスとの間にも、海軍と水上パトロール部隊の育成で支援を受ける条約を結んでいる。

 ヌーリ・マリキ首相の側近とみられているオバイディ国防相は、全部隊の撤退期限とされる2011年12月31日以降も、イラクに米軍基地を存続させるという要求を引っ込めなかった。この点について言えば、イラク軍への助言と支援のために、5万人の米軍兵力がイラクに駐留している。将来の駐留形態は次のイラク政府次第であり、アメリカ政府との交渉で決まる、とオバイディは説明した。

 しかし、ますます明らかになりつつある事実は、イラクの軍関係者の多くが、米軍内でも同じだが、イラクの治安部隊は米軍の助けを何年も必要とすると考えている、ということである。

 先月行われたインタビューでは、イラク軍の参謀総長バキル・ゼバリ大将が、2020年までイラクに米軍がとどまる必要性を語り、ありうる近隣諸国からの脅威に備えるためには米軍が「三つないし四つの基地」を維持することが望ましいと述べた。アメリカ政府高官も、イラク軍は2011年以降も米軍の助けを必要とするだろう、と指摘してきた。

 オバイディは、たとえイラク軍が2016年までに国境防衛ができる状態にならなくとも、米軍の助けを借りることは想定してなかったと言った。隣国と平和条約を結ぶなど、国を守るためには他にも方法がある、と彼は説明した。しかし、軍事顧問や軍事トレーナーが必要である以上、彼らを守る軍隊は必要になるだろう、と彼は言う。

 イラクは、F16戦闘機18機の購入など、アメリカの兵器130億ドル相当を発注している。たとえ注文が議会で早急に承認されたとしても、それらが遅くとも2013年までに到着するとは思えない。

 「われわれは戦車、航空機、海軍の装備などの兵器を持っているが、それは全部アメリカから購入した。2016年までに全部がそろうわけではなく、どうやってその訓練をすればいよい? 専門家や軍事トレーナーの支援が必要であり、彼らもまた生活があり、それを守る軍隊も必要になるだろう」と彼は言った。そうでないと、「これまでのイラクの出費が・・・無駄になるじゃないか」と付け足した。

 どのような形態の米軍駐留が必要になるかという問題は、新しいイラク政府が発足して以後の課題となりそうだ。各政治勢力の間での交渉は、今週で7ヶ月目となるが、誰が政権を担うかの合意にむけた進展はまだない。

 米軍駐留の継続という問題は、イラク政府でもアメリカ政府でも、政治的に敏感な問題である。次の政府を担おうと野心を燃やすイラクの政治家のなかには、2003年に自分の国を侵略した米軍に駐留延長を求めるリスクを冒そうとする者はいない。

 次期政府に発言力を持つであろうムクタダ・サドルを信奉する過激なシーア派勢力は、2011年以後も米軍駐留を認める条約に反対してきたし、これ以上の駐留延長を容認する政府なら支持しないと言明してきた。

 隣国イランは、かつて2008年の安全保障条約の調印を阻止しようと厳しいキャンペーンを張り、イラク政府内のシーア派勢力に米軍の長期駐留を認めないよう圧力をかけた。

 新政府でも指導的ポストを狙ってるマリキは、オバマ大統領が先週アメリカ国民に向けて行った演説に合わせて、戦闘任務の終結を歓迎するとともに、米軍駐留の長期化を認める政府は支持できないと表明した。

 しかし新政府発足後もアメリカの助けを借りようという要求は、それほど物議を醸すようにも見えない、とオバイディはほのめかした。

 「街頭でも政治家の間でも、大多数は安全を求めている」と彼は言う。「そしてイラクには、友好国と盟国、それも強い友好国と強い同盟国が必要なんだ」と彼は指摘した。