2010年4月13日火曜日

イランはスンニ派の政治参加を望む

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☆★イランはスンニ派の政治参加を望む
Iran Wants Sunnis in Iraqi Politics
ニューヨーク・タイムズ 2010年4月10日付
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http://www.nytimes.com/2010/04/11/world/middleeast/11iraq.html

By ROD NORDLAND
Published: April 10, 2010

 バグダッド発 -- イラクの政治に対する主要な政治ブローカー役を演じているイランは、4月10日、イラクの政治指導者たちに新政府にはスンニ派が含まれるよう呼びかけ、シーア派は来るべき事態に備えて彼らと連携しなければならないと語った。

 この声明はイラクに対するイラン政府の立ち位置を大きく転換させるものである。イラクの隣国でありシーア派の大国であるイランは、常に、シーア派が支配する連立政府を提唱し、行動としてもそれを後押ししてきた。

 何がこのイランの変化を促したのか、また。なぜ今なのかについては、即座には分からない。交渉はイラク国民議会の選挙から1ヶ月も暗礁に乗り上げているが、アラウィ元首相の勝利を現実主義的に容認したものにも見える。アラウィの陣営には、幾つかのスンニ派政党が含まれ、多様な候補者が議席を獲得することになった。これはまた、現首相からやや距離を置きつつあることを示してもいる。マリキ首相のイランとの関係はいつもスムーズだったわけではない。

 イランの立場の転換は、シーア派の合従連衡で政府を樹立しようとしてきたマリキの野望に、大きな打撃であったようだ。

 イランの駐イラク大使ハッサン・カジミ・コミは、当地での記者会見で新しい方針を発表したなかで、どのような連立政府になろうとアラウィの率いるれ連合会派イラキーヤが含まれなければならない。イラキーヤはスンニ派および世俗主義のイラク人から得票を集めたおかげで、3月7日の総選挙でわずかながら最多議席を獲得した。

 コミ大使は、イラキーヤが政治会談を開くためにイラン訪問を要請し、イラン政府はそれに「ドアは開いている」と答えた、と語った。アラウィは以前、政治的ライバルたちが新政府作りにイランの助けを求めて、選挙が終わりしだいイランを訪問することを批判していた。

 イラキーヤの広報担当ファタハ・アッ・シハイクは、イラキーヤが2日以内にラフィエ副首相を団長とする代表団をイランに派遣する、と確認した。

 シハイク氏は、「イラキーヤに対するイランの態度は、イラキーヤがイランにメッセージを送ってから変化した」と述べた。そのメッセージは、「イラクの領土が米軍のイラン攻撃に使われることはないと保証する」というものである。

 コミ大使は、「われわれは全ての勢力が参加することを支持するが、これはイラクの国内問題である。相談するだけで、それ以上ではない」と語った。

 彼はさらに、イラキーヤは明らかにスンニ派の代弁者だったと述べたうえで、明言はしなかったものの、イラキーヤはシーア派のグループとも連携しなければならないと暗示した。

 アメリカの駐イラク大使クリストファ・ヒルは、「政府はイラクで作られるだろう。隣国で作られることはない」と語った。

 スンニ派のハシミ副大統領は先週、イラン大使館を訪問して大使と会談した。ハシミ氏は会談の最後に、ほとんどの記者が退室したあとで、「われわれがイラキーヤのリストに入り、政府づくりに参画するのを手助けしてほしい」とコミ大使に言った。イラン大使はうなづいたが、返答はしなかった。

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