2010年3月25日木曜日

シーア派の主要2会派が合併を協議

--------------------------------------------------------------------
☆★シーア派の主要2会派が合併を協議
Iraq's two main Shi'ite blocs discuss merger
ロイター 2010年3月23日付
--------------------------------------------------------------------
By Suadad al-Salhy
http://ca.reuters.com/article/topNews/idCATRE62M3BV20100323

 バグダッド発

 イラクの2大シーア派会派は、1つはマリキ首相に率いられ、もう1つは指導者がイランと緊密だが、それが合併を協議中で、宗派によるイラク分裂を広げかねない。

 マリキの「法治国家連合」と「イラク国民連合」(INA)は3月7日の選挙で得票が多かった3大会派のうちの2つで、世俗派のアラウィ元首相を脇に追いやるかもしれない。アラウィの宗派横断的な「イラキーヤ」は、少数派のスンニ派から強い支持を勝ちとった。

 合併協議はマリキをも脇に追いやるかもしれないが、本人は2期目を望んでいる。INAを構成する主要勢力の一つはムクタダ・アル・サドルのサドル運動で、これはINAのなかで最も多く票を集めたが、マリキ首相との関係は弱い。

 次期政府のメーキャップは、ワシントン(=アメリカ政府)と国際石油企業によって近くなされると見られているが、ワシントンは9月1日までにイラクでの戦闘作戦を公式に終わらせようと計画し、石油企業はイラクの油田開発に巨額の契約金でサインした。

 マリキの法治国家連合に所属する有力者サミ・アル・アスカリは、同じ会派の別のリーダーが合併を必要とする公式声明を発表した直後に、「両会派の連立ないし合併が結実するまでには、INAとの協議は一回どころではなかった」とロイターに話した。

 法治国家連合は、アラウィの率いる会派とデッドヒートを繰り広げている。どの主要会派も、単独政府を作るのに十分な議席を確保できそうになく、政党あるいは連合会派の間の連立交渉が本格化している。

 最終的な開票結果は選挙から3週間近くたって、26日に公表される予定になっている。

 マリキ政府の報道官をつとめるアリ・アル・ダバグは、「法治国家連合とイラク国民連合は合併する必要がある」と、文書による声明を発表した。

 ◆かつてのパートナー

 マリキと、INAの主要組織であるISCI(イラク・イスラム最高評議会)は、3月7日の選挙前に分裂するまで、もともと連携していたかつてのパートナーである。

 ISCIはシーア派の隣国であるイランで亡命中に結成され、今回の選挙ではサドル運動と同じ連合会派を組んだ。ISCIとサドル運動は、強い結束を装ったが、選挙後に分裂するだろうという憶測があった。

 しかしINAの関係者は、両会派の合併にはサドル運動も含まれるだろうと示唆した。サドル運動は首相としてもマリキには強い異論を持っていることが知られている。

 アル・アスカリは、合併後の首相候補からマリキを外すことは協議してない、と話した。

 しかし、選挙にも立候補したINAのある幹部は、両会派が合併協議を行っていることを認めたうえで、もし法治国家連合がマリキを首相候補に固執するなら連立はありえなかった、と語った。

 彼は、「マリキの首相続投は認められない」と指摘した。「これは既定のコースで、彼(マリキ)がそれを拒否するなら、それもよし。彼はイラキーヤと連立すればいい」。

 法治国家連合とINAの合併の可能性について、イラキーヤの議員候補ジャマル・アル・バティーフは、「有権者の利益をそっちのけで、権力にしがみつきたがる人物がいる」とコメントした。

 「連立を組むのは最大会派に許される当然の権利だが、われわれが優先したいのは国益であって、宗派主義の合従連衡ではない」。

 選挙から16日たって、約95%の開票結果が発表された。アラウィのイラキーヤが約1万1000票、マリキの法治国家連合をリードしている。

 アラウィの会派が5州で首位7に立つのに対し、マリキの会派は18州のうち7州で首位に立っている。国民議会での議席は、全国の得票数によってではなく、それぞれの州ごとに会派の得票によって配分される。

 法治国家連合とイラキーヤは、全325議席のうち90議席以上を確保するものと見られる。アナリストによると、INAは65~70議席程度とされる。

 新しい政府が樹立されるまでには、何ヶ月かかかりそうだ。

 、宗派抗争で何万人もが殺されたあと治安がやっと回復したのに、アラウィを脇に追いやろうとする試みは、スンニ派を政治的に追放して、イラクの治安に再びヒビを入れようとする策動だともわれる。

 アメリカは今年8月までにイラクの駐留兵力を半減させ、2012年までに完全に撤退させる計画である。

0 件のコメント:

コメントを投稿